表題の画像;出典Ceaton89 | 提供元: Donington Park | ライセンス: CC BY-SA 3.0
2004年シーズンも中盤へ!
前ブログの続きになります。
2004年シーズンのここまで(第5戦スペインGP終了時点)のBARホンダの成績を確認します。
(2004年シーズンは全18戦)
| 開催地 | ジェンソン・バトン | 佐藤琢磨 |
|---|---|---|
| オーストラリアGP | 予選4位/決勝6位 | 予選7位/決勝9位 |
| マレーシアGP | 予選6位/決勝3位 | 予選20位/決勝15位 |
| バーレーンGP | 予選6位/決勝3位 | 予選5位/決勝5位 |
| サンマリノGP | 予選PP/決勝2位 | 予選7位/決勝16位 |
| スペインGP | 予選14位/決勝8位 | 予選3位/決勝5位 |
結果だけを見ると、チームメイトのバトンが予選でPP獲得1回、表彰台に2回あがっており、19ポイントを獲得している事を考えると、琢磨の8ポイントは、期待値を考えると少し物足りなく感じる事は否めません。
ただ、シーズンは5戦を戦ったばかりで、まだ5月。
あと13戦残っている(2004年は全18戦)、これからの巻き返しをはかるには十分な時間もあり、焦らずにいきたい。

(ドライバー 佐藤琢磨)
琢磨とバトンを比較すると、「No Attack No Chance」の琢磨は生粋のファイター型のドライバーで、「隙あらばその瞬間に抜きにかかる」、そんなドライバーで、当時(2004年当時)のオーバーテイクが少なくなったF1では数少ない魅せるドライーバーとして、その走りに魅了されるファンが多かった様に思います。
そのファイター的な走りは、時にはミスや接触も見られた。

(ドライバー ジェンソン・バトン)
一方のバトンは、若いながら冷静で老獪な走り(イメージです)で、前を行く獲物(ドライバー)を確実にミスのないところでオーバーテイクしていく、ミスが少なく気が付けば結果的に上位でフィニッシュしている、チームにとってもありがたい計算できるドライバー。
こんなイメージだったと思います。
迎えたモナコGPも求めていた結果は出ず
そして次戦はモナコGP、市街地サーキット、F3ではマカオGPで勝つなど市街地も苦にしない琢磨に期待をもって観戦していた。
F1モナコGPは今も昔も特別なGP。

(モンテカルロ市街地コース)
市街地にガードレールが設置され、街中がGPの色に染まるモナコ。普段はクルマが普通の走っている生活道路をあのモンスターマシンのF1で走る・・・テレビでしか見た事がないですが、現地で見ると非現実的な世界なんだろうな、と想像するだけで興奮してきます。
モナコマイスターの称号もある程、モナコで勝つ事はF1ドライバーにとって1つの勲章。
(モナコGP風景)



そのモナコGPでの予選、BARホンダの佐藤琢磨は8位。
あのモナコで日本人ドライバーが予選8位を獲得って、そこだけ切り取ると、今まで(2004年)の日本人ドライバーでは考えられない素晴らしい結果ですよね。
ただ、チームメイトのバトンがやはりここでも3位と言う上位グリッドを獲得し、琢磨ももう一つ上にいける事がわかっているのでそこにいきたい、そんな気持ちが続くーーー
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2004年 Rd.6モナコGP 予選結果 TOP8
PP:ヤルノ・トゥルーリ(ルノー)
2位:ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズBMW)
3位:ジェンソン・バトン(BARホンダ)
4位:フェルナンド・アロンソ(ルノー)
5位:ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
6位:キミ・ライコネン(マクラーレンメルセデス)
7位:ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)
8位:佐藤琢磨(BARホンダ)
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※ラルフ・シューマッハエンジン交換のため10グリッド降格ペナルティ
迎えた決勝。
4列目からスタートした佐藤琢磨は抜群のロケットスタートを決めて、フェラーリのミハエル・シューマッハの右側のタイヤにも軽くヒットさせながら、ねじ込む様に前に出ていく。
1コーナーのサンでボーテにはなんとバトンの後ろの4番手まで大きくジャンプアップした。
日本のF1のパイオニアの中嶋悟は、モナコで一桁の順位を走行中、「モナコで一桁の順位になっているピットボードを見て、自分でも凄いと思った」と語っていた様に思いますが、そのモナコで日本人ドライバー佐藤琢磨が4位を走行している、この事実にも当時に鳥肌が立ちました。
オープニングラップが終わって、ルノー2台に続きBARホンダの2台が続く展開。
抜きにくいモナコで4位を走行となり、今年のマシンポテンシャルと、F3での市街地マカオGPでの優勝など、恐らくは市街地も苦にしていない琢磨に大きな期待をする事になりました。
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2004年 モナコGP オープニングラップ終了時点の順位
1位:ヤルノ・トゥルーリ(ルノー)
2位:フェルナンド・アロンソ(ルノー)
3位:ジェンソン・バトン(BARホンダ)
4位:佐藤琢磨(BARホンダ)
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その後、暫くしてすぐに4位走行中の琢磨が、明らかにペースダウンをし前を行く3人から離れていき、琢磨の後ろから数珠繋ぎ状態となる。
マシン後方から白煙が出ており、恐らくはエンジンに何かしらのトラブルが出ている様だったが、そのまま数珠繋ぎ状態のまま走行していると、タバコ屋コーナーを抜けたあたりで遂にエンジンが壊れ、派手にブローし、コースは濃い白煙に包まれた。
無念のエンジントラブルでリタイヤ。
ホンダの木内プロジェクトリーダーはじめ、ホンダ陣営うなだれる。

また琢磨のエンジンが壊れたか!
でも凄い白煙、琢磨の後ろは数珠繋ぎになっていたし、モナコで大丈夫か!?
琢磨のエンジンブロー後、濃い白煙に包まれたコースは前方が見えない状態で、逃げ場がないモナコ市街地。
前が見えず急ブレーキをかける各マシン。
後ろから前のマシンに乗り上げる様に追突して、マシンがひっくり返る激しいクラッシュが起きた。
どうやら琢磨のエンジンブローの白煙で前が見えず、急減速したマクラーレンメルセデスのクルサードに、前が見えないままザウバーペトロナスのフィジケラがクルサードに突っ込んだ様だった。
大きなクラッシュだったものの、幸いにもフィジケラにケガは無かったが、後味が悪い琢磨のリタイヤだった。
チームメイトのバトンはここモナコで2位表彰台でフィニッシュし、この結果に希望を抱くしかなかった。(バトンは表彰台、おめでとう)

(ドライバー:ジェンソン・バトン)
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2004年 Rd.6モナコGP 決勝レース結果 TOP8
1位🥇:ヤルノ・トゥルーリ(ルノー)
2位🥈:ジェンソン・バトン(BARホンダ)
3位🥉:ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)
4位:ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)
5位:フェリペ・マッサ(ザウバーペトロナス)
6位:クリスチアーノ・ダ・マッタ(トヨタ)
7位:ニック・ハイドフェルド(ジョーダンフォード)
8位:オリビエ・パニス(トヨタ)
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ヨーロッパGP・日本人初の暫定ポールポジションを獲得!
次戦はモナコGP(5月23日決勝)から連戦となるヨーロッパGP(5月30日決勝)。
このヨーロッパGPではフリー走行、予選から琢磨は速さを見せてくれ、人馬一体になればバトンに引けをとらない速さがある事を自身の走りで証明してくれたと同時に、日本のF1ファンに今までに見た事のない景色を見せてくれた。

(public domain)
佐藤琢磨・予選一回目でトップタイム!暫定PPを記録!
当時は各ドライバーが1週ずつ走り、そのタイムを競うワンアタック方式で2回行われる公式予選。
その一回目の予選。
セッションが終わったタイムシートの一番上、暫定PPに佐藤琢磨の名前があった!
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2004年 Rd.7ヨーロッパGP 予選1回目 TOP6
1位:佐藤琢磨(BARホンダ)
2位:ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
3位:ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズBMW)
4位:デビット・クルサード(マクラーレンメルセデス)
5位:キミ・ライコネン(マクラーレンメルセデス)
6位:ジェンソン・バトン(BARホンダ)
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当時の事を思い出して表現すると、「日本人ドライバーがF1の予選で暫定とは言えPPって凄くない!?いや、凄いよこれ!」「いや、バトンがPP獲ったから琢磨もPP獲っても不思議じゃないよ!?でも今までの日本人ドライバーではこんな事考えられなかった!凄すぎるよこれ、暫定PPが琢磨で2位がシューマッハって、、、よしっ!」
駄目です、言葉では表現しきれません。
それ位の衝撃がありました。

琢磨が予選一回目でトップタイム!暫定PP!
これは日本人初のPPあるよ!
ただ、冷静に考えると、前述の「佐藤琢磨シリーズ-⑤」の記事の様にサンマリノGPではバトンがPPを獲得した様に、マシンポテンシャルは十分で、また琢磨もマシンにのれている、PP獲得も十分にあり得た。
ワンアタックをきっちり決めた琢磨!日本人初のフロントローからのスタート!
そして予選2回目のセッションが始まっていく。
2回目は1回目のタイムが遅かったドライバーから順にワンアタックで走っていく。
一番グリップがのってくる後半に、早いドライバーが控える予選方式で、ミスが許されないワンアタックが緊迫感を高めている。
次々とドライバーがタイムアタックに入り、タイム計測し順位が決まっていく。
予選1回目、2位のフェラーリのシューマッハが走り、それまでで一番速いタイムを記録し、地元ドイツで開催されているヨーロッパGPでファンに応える走りを見せる。
次はさあ大トリの暫定PP佐藤琢磨がアタックに入っていく。
(これ、自分がこの立場だとしたら、めちゃくちゃ緊張しますよね)
スポーツ観戦で興奮すると、叫ぶか、もしくは無言で集中して見入るか。
この時は無言で固唾を飲んで見守る、と言うシーンだっと思います。
琢磨が第1セクター、そして第2セクターを過ぎていく、先程出したシューマッハのタイムよりは遅れている、ただフロントローは狙えるタイムでミスのないアタック。
最終コーナーを立ち上がってコントロールラインを駆け抜ける、その時に計測されたタイムは2番手!!
PPはフェラーリのミハエル・シューマッハに譲ったものの、予選は日本人として初めてフロントローの2番手が決定した!!
当時を思い出すと「なんてことだ!!」としか言いようがなく、こんな事が起こるなんて、F1で日本人ドライバーが予選2位!
一昔前では考えられなかったことが現実に起こっており、とにかくシューマッハの横から琢磨がスタートすると言う事実に興奮するしかなかった。

琢磨が予選2位!日本人初めてのフロントロー!凄い!
明日はPPのフェラーリのシューマッハの横、最前列からスタート!
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2004年 Rd.7ヨーロッパGP 予選1回目 TOP6
1位:ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
2位:佐藤琢磨(BARホンダ)
3位:ヤルノ・トゥルーリ(ルノー)
4位:キミ・ライコネン(マクラーレンメルセデス)
5位:ジェンソン・バトン(BARホンダ)
6位:フェルナンド・アロンソ(ルノー)
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決勝レースでは、スタート時にテレビ中継で映るあのスタート時の隊列の映像に、後方を探さなくても最前列に日本人ドライバーがいる。
この事実を思い出すだけで、今でもぞくぞくっときます。
それだけ佐藤琢磨と言うドライバーに期待が大きく、今シーズンも少し歯車が噛み合わない中、やっとやってくれた!と言うファンとしても感極まる思いでした。

(ドライバー:佐藤琢磨)
次回は、日本人ドライバーとして初のフロントローからスタートする琢磨のレースを追っていきます。
また、2004年シーズンも中盤から終盤へ、その時の琢磨を綴っていきたいと思います。
お楽しみに!



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