表題の画像:出典Planet Labs, Inc. – Suzuka International Racing Course, CC BY-SA 4.0
2004年 F1日本GP さあ決勝が始まる!
前回のブログでは予選の模様を綴りました。
一年を通して上位で活躍する日本人ドライバーに胸躍るシーズンでしたが、一方で思うように歯車が噛み合わず悔しい思いをしたレースもありました。
これは琢磨を応援するファンだけではなく、琢磨自身が一番悔しかったのでは、と思います。
(琢磨自身が、そうした感情をメディア等の前で表に出すことは少なかった様な気がしますが、悔しさは大きかったはずです)
2004年シーズンのここまでをまとめてみます。

琢磨自身、「もっとられた」と思っているとは思いますが、サーキットにより少し速さにムラがありましたが、コンスタントに上位で戦っており、F1界にしっかりと存在を植え付けたシーズンとなりましたね!
| 2004年シーズン | GP開催地 | 予選順位 | 決勝結果 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| Rd.1 | オーストラリアGP | 7位 | 9位 | 0pt |
| Rd.2 | マレーシアGP | 20位 | 15位 | 0pt |
| Rd.3 | バーレーンGP | 5位 | ||
| Rd.4 | サンマリノGP | 7位 | 16位 | 0pt |
| Rd.5 | スペインGP | 3位 | ||
| Rd.6 | モナコGP | 7位 | リタイヤ | 0pt |
| Rd.7 | ヨーロッパGP | 2位 | リタイヤ | 0pt |
| Rd.8 | カナダGP | 17位 | リタイヤ | 0pt |
| Rd.9 | アメリカGP | 3位 | ||
| Rd.10 | フランスGP | 7位 | リタイヤ | 0pt |
| Rd.11 | イギリスGP | 9位 | 11位 | 0pt |
| Rd.12 | ドイツGP | 9位 | ||
| Rd.13 | ハンガリーGP | 3位 | ||
| Rd.14 | ベルギーGP | 15位 | リタイヤ | 0pt |
| Rd.15 | イタリアGP | 5位 | ||
| Rd.16 | 中国GP | 9位 | ||
| Rd.17 | 日本GP | |||
| Rd.18 | ブラジルGP |
※2004年シーズンは8位までが入賞
ポイント・・・1位 10P/2位 8P/3位 6P/4位 5P/5位 4P/6位 3P/7位 2P/8位 1P
Rd.7のヨーロッパGPでは予選もフロントローを獲得、またアメリカGPでは1990年の鈴木亜久里以来の日本人14年振りの表彰台にあがるなど、記録に残る走りもしてくれた琢磨。
また、アグレッシブなその走りは、時には接触事故も起こし、賛否を巻き起こしたが、レーシングドライバーはオーバーテイクを試みる、すごく当然な事に賞賛の声も多く、記憶に残る走りもしてくれた琢磨の一年だった。
この鈴鹿はそんな一年の集大成。
さあ!いくぞ!
熱気に包まれた鈴鹿はそんな雰囲気に包まれていました!

(鈴鹿サーキット)
午後からの決勝レースが近づいてくる
決勝レースの時刻が近づいてきて、各社グリッドにマシンを並べる。
佐藤琢磨は4番グリッド。
これ、さらっと4番グリッドって書きましたが、これって凄いことですよね。
セカンドローですよ!って狂喜することが、こうもさらっと書けてしまう琢磨の活躍、思い返してもニヤっとしてしまいます。
琢磨の4番グリッドで気になるのは、やはり路面コンディション。
金曜・土曜の台風で濡れた路面は日曜の晴天で乾きつつあったが、予選時点ではレコードラインとそれ以外の部分で明らかに色が違っていた。
その様な路面状況で、琢磨はレコードラインではない偶数グリッドのイン側からのスタートとなる。
レコードライン上の奇数グリッド側が恐らくは有利であることは想像されたことが、スタート前に気になった点であった。

琢磨は偶数の4番グリッドだから、レーコードラインでは無い方の路面からのスタート。まだ少し濡れている状況だからスタートが心配。
予選の熱気をそのままに保った鈴鹿は、それがテレビからも見て取れるような雰囲気でした。
あとはスタート時刻を待つのみとなり、マシンはフォーメーションラップに向けてマシンを走らせていった。
レース前はいつも「この先の90分で何が起こっているのか?」とその未来にワクワクするものですが、このGPはいつも以上に期待感がありました。

(ドライバー:佐藤琢磨)
2004年 日本GP 決勝レースがスタート!
フォーメーションラップからメインストレートに戻ってきたマシンは、グリッドに整列し、シグナルが赤に点灯すると同時に、エンジンが轟音を鳴り響かせ、ブラックアウトと同時に一気に解き放たれ加速していく!
日本GPのスタートがきられた!
各車、位置取り争いをしながら1コーナーに飛び込んでいく!
フェラーリのシューマッハが先頭で、2番手にウィリアムズのシューマッハ、3番手にBARホンダのバトンが予選5番手からジャンプアップし、4番手に同じくBARホンダの佐藤琢磨の順になった。
レコードライン上の奇数グリッドの5番手のバトンに先行された琢磨だった。
ここで、テレビの解説ではBARホンダのバトンと琢磨で戦略の違いが解説され、3番手を走るバトンの方が燃料を積んでおり2ストップ作戦、4番手を走る琢磨の方が3ストップ作戦で軽い状況と言うことで、1回多くピットストップする必要がある琢磨はバトンの前に出て走りたかった。
バトンをオーバーテイクしたのは7周目で、その時は1位と2位のシューマッハ兄弟からは差を広げられている状況、また自分より燃料搭載量が重いバトンをようやくオーバーテイクした状況を考えると、表彰台を狙うには琢磨自身が誰よりも早く鈴鹿を走ること、これしかなかった。
結果的には、スタートでバトンの前に出られたことが、このレースの一番のポイントとなり、琢磨は終始4番手を走行することになった。
レースも終盤にさしかかってきたところ、テレビ中継では琢磨自身を映すのオンボードカメラに切り替わり、ヘアピンからスプーンへむかうゆるやかな右コーナーなどで、ヘルメットとマシンのすき間に自分の拳を入れて、ヘルメットがズレるのを支えていると言う衝撃の映像が映った。
琢磨は必死で戦っていた。
この映像が何度もテレビでも映り、レース時は表彰台を、とか願っていたが、とにかく無事にレースを終えて欲しい、と言う気持ちで見守るしかなかった。
恐らくは現地の鈴鹿サーキットでも大型モニターにその映像が映し出され、鈴鹿全体も祈る気持ちになったのでは、と思います。

HANSのトラブルだった様ですが、ヘルメットを支える様にして走行している映像には言葉を失いました。その状況でのあの走り、凄かったですね。
3位表彰台の記録はならず結果は4位も、記憶に残る鈴鹿に
そしてスタートから90分後の未来、琢磨は表彰台には上がれず4位でフィニッシュ。
優勝はフェラーリのミハエル・シューマッハ、2位にウィリアムズBMWのラルフ・シューマッハ、3位にBARホンダのジェンソン・バトン、4位にBARホンダの佐藤琢磨と言う結果になり、ホンダとしても琢磨を表彰台に上げたかった、と言うのが本音だったのではないでしょうか。
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2004年 Rd17 日本GP 決勝レース結果 TOP8
1位:🥇ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
2位:🥈ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズBMW)
3位:🥉ジェンソン・バトン(BARホンダ)
4位:佐藤琢磨(BARホンダ)
5位:フェルナンド・アロンソ(ルノー)
6位:キミ・ライコネン(マクラーレンメルセデス)
7位:ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)
8位:ジャンカルロ・フィジケラ(ザウバーペトロナス)
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8位までが入賞(1位10Pで2位以下8pt・6pt・5pt・4pt・3pt・2pt・1pt)
4位で悔しい結果、ここまでの思いをさせてくれた佐藤琢磨は間違いなく、日本人ドライバーとしてまた新たな境地に、私たちがファンを連れていってくれました。
ただ、佐藤琢磨の渾身の走りにより、記憶に残る日本GPになったことは間違いありません。
一喜一憂した2004年シーズンも終わりを告げる
最終戦のブラジルGPもきっちりと6位でフィニッシュし、4戦連続ポイントゲットで2004年シーズンを締めくくった。
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2004年 Rd18 ブラジルGP 予選結果 TOP6
PP:ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)
2位:ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)
3位:キミ・ライコネン(マクラーレンメルセデス)
4位:フェリペ・マッサ(ザウバーペトロナス)
5位:ジェンソン・バトン(BARホンダ)
6位:佐藤琢磨(BARホンダ)
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2004年 Rd18 ブラジルGP 決勝レース結果 TOP8
1位:🥇ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)
2位:🥈キミ・ライコネン(マクラーレンメルセデス)
3位:🥉ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)
4位:フェルナンド・アロンソ(ルノー)
5位:ラルフ・シューマッハ(ウィリアムズBMW)
6位:佐藤琢磨(BARホンダ)
7位:ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)
8位:フェリペ・マッサ(ザウバーペトロナス)
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8位までが入賞(1位10Pで2位以下8pt・6pt・5pt・4pt・3pt・2pt・1pt)
佐藤琢磨はシーズンポイント34ポイントを獲得しドライバーズランキングは8位を記録した。
チームメイトのバトンは85ポイントを獲得し、ドライバーズランキング3位に入った。
また、BARホンダはコンストラクターズランキングでフェラーリに次ぐ2位に入り、躍進の一年となった。


| GP開催地 | car No.9 ジェンソンバトン | ポイント | car No.10 佐藤琢磨 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| オーストラリアGP | 予選4位/ | 予選7位/決勝9位 | 0pt | |
| マレーシアGP | 予選6位/ | 20位/決勝15位 | 0pt | |
| バーレーンGP | 予選6位/ | 5位/ | ||
| サンマリノGP | 予選PP/ | 7位/決勝16位 | 0pt | |
| スペインGP | 予選14位/ | 3位/ | ||
| モナコGP | 予選3位/ | 7位/決勝リタイヤ | 0pt | |
| ヨーロッパGP | 予選5位/ | 2位/決勝リタイヤ | 0pt | |
| カナダGP | 予選2位/ | 17位/決勝リタイヤ | 0pt | |
| アメリカGP | 予選4位/決勝リタイヤ | 0pt | 3位/ | |
| フランスGP | 予選4位/ | 7位/決勝リタイヤ | 0pt | |
| イギリスGP | 予選3位/ | 9位/決勝11位 | 0pt | |
| ドイツGP | 予選3位/ | 9位/ | ||
| ハンガリーGP | 予選4位/ | 3位/ | ||
| ベルギーGP | 予選12位/決勝リタイヤ | 15位/決勝リタイヤ | 0pt | |
| イタリアGP | 予選6位/ | 5位/ | ||
| 中国GP | 予選3位/ | 9位/ | ||
| 日本GP | 予選5位/ | 4位/ | ||
| ブラジルGP | 予選5位/決勝リタイヤ | 0pt | 6位/ |
画像出典
© Martin Lee / Flickr CC BY-SA 2.0



| ランキング | コンストラクター | ポイント |
|---|---|---|
| 1位🥇 | フェラーリ | 262 |
| 2位🥈 | BARホンダ | 119 |
| 3位🥉 | ルノー | 105 |
| 4位 | ウィリアムズBMW | 88 |
| 5位 | マクラーレンメルセデス | 69 |
| 6位 | ザウバーペトロナス | 34 |
| 7位 | ジャガーコスワース | 10 |
| 8位 | トヨタ | 9 |
| 9位 | ジョーダンフォード | 5 |
| 10位 | ミナルディコスワース | 1 |
画像出典
© Rick Dikeman / GNU Free Documentation License, Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported License
© Martin Lee / Flickr CC BY-SA 2.0
© Rick Dikeman / GNU Free Documentation License, Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported License



| ランキング | ドライバー | ポイント | 所属チーム |
|---|---|---|---|
| 1位🥇 | ミハエル・シューマッハ | 148 | フェラーリ |
| 2位🥈 | ルーベンス・バリチェロ | 114 | フェラーリ |
| 3位🥉 | ジェンソン・バトン | 85 | BARホンダ |
| 4位 | フェルナンド・アロンソ | 59 | ルノー |
| 5位 | ファン・パブロ・モントーヤ | 58 | ウィリアムズBMW |
| 6位 | ヤルノ・トゥルーリ | 46 | ルノー |
| 7位 | キミ・ライコネン | 45 | マクラーレンメルセデス |
| 8位 | 佐藤琢磨 | 34 | BARホンダ |
| 9位 | ラルフ・シューマッハ | 24 | ウィリアムズBMW |
| 10位 | デビッド・クルサード | 24 | マクラーレンメルセデス |
画像出典
© Martin Lee / Flickr CC BY-SA 2.0
振り返るとこの2004年シーズンが佐藤琢磨にとってF1でのキャリアハイシーズンになりました。
チームメイトのバトンの活躍と比較すると、「もっといける」と本人が一番思っていたことだと思いますが、「No Attack, No chance」本当に夢を見せてくれたドライバーでした。
この後、2005年シーズンや、それ以降の活躍、また活動拠点をアメリカに移しての活躍は周知の通りですが、またその辺りも佐藤琢磨シリーズとして、後々綴っていきたいと思います!



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